技術の習得

imageこんにちは、森下です。

先日、会話の中で大学時代の授業を語ることがありました。興味関心に任せて様々な授業を取っていましたが、一番印象に残っている授業があります。
その名前も「歴史観の形成」。昨今の歴史観はどのように形成されていったのか、というテーマの授業です。

ある日のことです。
教授はチャイムと同時にいらっしゃり、黒板前の椅子に座ると、「みなさん、沖縄に行きたいですねぇ。青い海、青い空、打ち寄せる波の音。とても素晴らしいですね。」と言い出しました。あまりにも唐突で、あっけにとられたことはよく覚えています。
面白おかしく語る教授なので、すっかりその世間話に聞き入っていました。しかし、気づいた時には時間概念の話にすり替わっていて、いつも以上に集中している自分がいました。最後の締めくくりも沖縄の話。しかし、その流れに違和感はなく、いつもよりもはっきりと授業の内容を覚えていました。

この体験から、新鮮な驚きや強烈な印象は記憶に残る手がかりだと思うようになりました。
世間話を交えながら教えたり、あるいは例え話に生徒さん達が興味を持っていることを持ち出したり……と、工夫した話し方を意識しています。真っ直ぐな道もそれはそれでいいのですが、ときには寄り道をしてみるのも悪くはだろう、というのが私の考えです。(もちろん、寄り道をしすぎないように注意をしますし、適宜、話の方向を修正することも忘れません。)

まだまだ、あの時の教授のように巧みに話すことはできませんが、意識し続けることで、いつかきっと自分の「モノ」になると信じています。