ハイレベルな当たり前

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こんにちは、中村(宏)です。

今日は反復演習のメリットについて書きたいと思います。

コンピュータの性能を表す要素の1つにメモリというものがあります。メモリはコンピュータが考える為の作業スペースです。例えば、コンピュータに「この作業とこの作業をせよ。」という指示を出すと、コンピュータはその作業を一時的に記憶しながら実行に移します。この一時的に記憶するスペースがメモリです。

人間も複雑な暗算をするときに頭の中で計算の途中結果を一時的に暗記しながら計算しています。人間の脳にもコンピュータのメモリのような役割をする部分があり、この部分はワーキングメモリと呼ばれています。ワーキングメモリが大きい生徒は学校のテストで良い成績をとる傾向があると言われています。このワーキングメモリはトレーニングにより鍛えることはできますが、それには時間がかかります。

出来るだけすぐに生徒の成績を上げるためには、ワーキングメモリを鍛えるという方法ではなく、計算問題や方程式などの基礎の単元に必要とされる容量を小さくすることが大事です。少し難しい表現になりましたが、簡単に言えば基礎問題に慣れることが大事です。誰でもハサミを使うことはできますが、ハサミを初めて使ったときには、この穴に人差し指をもう一方に親指を入れてというように考えながらハサミを使っていたはずです。もちろん、大人になってこんな風に考えながらハサミを使っている人はいません。これが慣れです。

慣れるために必要なことは回数をこなすことです。数学の基礎問題の反復練習をすることで、基礎問題を解くことはハサミで切ることと同じくらい簡単なことになります。慣れた作業は最小限のワーキングメモリしか必要としません。1つ1つの計算に必要とするワーキングメモリを縮小出来たら、ワーキングメモリが大きい生徒と同様に勉強ができるようになります。

計算などの基礎問題を当たり前に解ける能力を基礎力と言えると思います。